このコーナーでは、最近購入した3Dプリンタについて、その使いこなしのノウハウや、実際に建築や土木の仕事に使えるのかどうか?今後少しづつ検証したいと思っています。まずは、3Dプリンタの導入編です。
1年ほど前から、巷でうわさの3Dプリンタの導入を考えていました。まず機種の選定にいろいろ悩みました。一口に3Dプリンタといってもいろいろな方式があり、下は個人でも購入できる数万円のものから、上は業務用の数千万円のものまで、まさに百花繚乱の状態です。しかし、いろいろ調べてみると個人が購入所有することのできる本体の価格や、プリント素材の入手のしやすさや価格、メインンテナンス性などを考慮すると選択肢は限られてきます。低価格帯のプリンタで採用されている、FDM方式(熱溶融積層方式)の3Dプリンタが最も現実的です。
FDM方式というのは、太さ1ミリ程度のプラスチック樹脂をヒートベッドという部品で加熱して溶解し、溶けたプラスチックをノズルから押し出し平面の形にプリントしてゆきます。これを積層していって立体を形作るというものです。積層の密度は、プリンタによって違いますが、だいたい0.05ミリから0.2ミリ程度です。これをモデルの高さの分だけ繰り返してゆくので、ちょっと考えただけでも、プリントにはかなりの時間がかかることがわかりますね。
さて、FDM方式といってもピンからキリまでありまして、実際のネットの評判などを参考にして、価格帯別に次の4つくらいが候補になりました。
1. 10万円以下:ダヴィンチ(XYZprinting社 台湾製)
2. 10~20万円:Creator Pro (FLASHFORGE社 中国製)
3. 20~30万円:Zortrax M200 (Zortrax社 ポーランド製)
4. 30万円以上:Replicator2 (MakerBot社 アメリカ製)
残念ながら、日本製のものはありません。日本はこういう革新的なコンセプトの製品を開発するのは苦手なんでしょうか?この中で、まず1.は導入コストの安さが魅力ですが、ネット上で造形物の仕上がりの評判があまりにも良くないので、落としました。4.は定評のある3Dプリンタですが、コスト的に趣味の範囲を超えてしまうので断念しました。仕事で絶対に使える保障があれば、これもアリだったんですが。それと、実は2.の3Dプリンタは4.のコピー品で、造形物の品質に差はないということだったので、それならコストが半額以下の2.でいいかな?とも思いました。
残るは、2.と3.の2点ですが、コスト的には2.が有利で、Amazonの評判も悪くないのですが、3.のプリンタもフィギュアの原型師さんたちの間で、非常に人気があると聞きました。いろいろ悩んだのですが、今後仕事の上で活用することも考え、コンシューマー向けFDM方式の最高峰といううわさもある、Zortrax M200に決め、4月の中頃に本家のサイトに発注しました。
実は日本にも販売代理店があるのですが、オプションの部品(フロント、サイドカバー)の取り扱いがなかったため、ポーランドからの取り寄せとなりました。4月の末頃、無事荷物が到着しました。こんな感じの外箱です。
箱から取り出したところです。真ん中のスポンジの中に、付属物が入っています。
梱包物を取り去った状態です。この後、コネクターを挿して、フィラメントホルダーとガイドを取り付けるだけで完成です。組み立てには5分もかかりません。
付属物の一覧です。工具とかがいろいろついていて、なんだか見ているだけでワクワクしますね。同じマニュアルがなぜか3部付いていました。
ツールボックスの中身です。最初から、これだけの工具がついているのは、非常に助かります。
さて、いよいよ次回はテストプリントを行います。
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